イグサの息吹を感じるTATAMO! の畳表

畳と一緒に暮らす、イグサから伝わる生命力

熊本県八代市にある園田聖さんのイグサ田

イグサの生産量日本一である熊本県八代市。江戸時代に干拓されたという八代平野には、球磨川の水の恵みにより今も豊かな田園風景が広がっている。
TATAMO! で販売するプロダクトはすべて、熊本県からエコファーマー認定を受けたイグサ農家の園田聖さんがつくる畳表を使用している。

実は園田さんが栽培するイグサの品種は少し変わっている。
現在、市場で主流となっているのは「ひのみどり」という細い種類のイグサで、これを織ると繊細で美しい畳表ができる。しかし、その細さゆえに畳表が薄くなってしまうというマイナス点もある。

そこで園田さんは、太くて粒の大きな「夕凪」という品種を主に育てているのだ。このイグサを使って畳表を織ると肉厚でがっしりとしたものができる。
この太さの違いをたとえるなら、ひのみどりはそうめんで夕凪は蕎麦といったところだろうか。

夕凪の畳表をぐっと踏みしめると反発するような弾力があり、確かなイグサの存在を感じる。

「僕が夕凪を栽培する理由は、生命力の強さは消費者にも還元できると思っているからです。 生命力の強いものをつくって、その畳を敷いた部屋で生活すれば、住んでいる人はイグサから生きる元気をもらえるんじゃないかと考えています。今年は新たに雨にも雪にも負けない、強い生命力をもつ『ひのはるか』という品種も栽培してみたので、畳表の完成が楽しみです」

きちんと裏付けされた減農薬栽培

熊本県八代市にある園田聖さんのイグサ田

イグサは一般的に11月中旬頃に苗を植え、6月下旬頃に刈りはじめる。その間に除草剤と殺虫剤を散布することになるが、園田さんは決められた登録農薬を、国や県が定めた基準より回数を減らして散布する減農薬栽培を行っている。

除草剤の散布は5月上旬に終わる。もともと散布回数も減らしている上に、刈り取りまで2カ月から3カ月近くもスパンがあるので、除草剤の人体に及ぼす影響はそれほど問題ないと園田さんは考える。殺虫剤については収穫の1カ月前までに散布を終える。
それでも質の良いイグサを生産できるのは、科学的根拠と日々の計測のもと、確実な効果を生むよう計画を立てているからだ。

「昔、暑い日にマスクもせず殺虫剤を散布したことがあるんですが、意識がもうろうとして、実はその日、一時間ほど記憶がないんです。そして一日中気持ち悪かった。マスクをしないで作業した僕が悪いんだけど」と園田さんは話す。
その体験を通して殺虫剤が人体に及ぼす危険性について考えるようになったそうだ。
農薬が人体に及ぼす害というのは畳の上で生活する消費者はもちろん、生産者にとっても重大な問題となる。

そのために園田さんは農協へ通いつめ、積算気温と害虫の成育周期の関係や、害虫の成長段階に合った農薬の種類について勉強を重ねた。そこからきちんと計測した上で適期に適薬を適量散布すれば大丈夫だという確信を得たのだ。

赤ちゃんにもやさしい安全性

今年7月の刈り取り時期の風景

園田さんは毎年、検査機関でイグサの残留農薬検査を受けている。100以上のチェック項目のある厳しい検査でも、これまで農薬は検出されたことはない。つまり、赤ちゃんがなめても安全だということだ。

安全性だけではない。 熊本のイグサ農家によって行われている畳表の摩耗調査でも毎回、好成績を記録している。カットした畳表を紙ヤスリでこすり、変化した厚さを計測する試験を行うのだが、一般的な畳表が0.35ミリ摩耗するなか、園田さんが所属する北出親畳会は0.02ミリという記録を残している。
「僕たちの畳表は国内最強だと自負しています」と園田さんは話す。

自然に帰り、循環する畳表

04JPG.JPG泥染めの様子。5秒ほど泥水につけることでイグサの色沢を落ち着かせ、織る時にほどよい摩擦を生む

イグサ農家では一般的に端材などはイグサ田に捨てたり、焼却処分したりしている。なぜなら、使用している素材がすべて天然素材であるため、捨てた端材は自然に帰り、肥料となって循環していくからだ。

畳表の生産過程を説明すると、収穫したイグサは一度、泥染めをする。そして乾燥させてから専用の織機で織ることで畳表ができる。日本に流通している畳表の80%は中国産で、その多くが除草剤や殺虫剤のほかに着色剤も使用していると言われている。
園田さんは昔から続く手法のままに、着色剤を使用せず、天然の泥を使って泥染めをしている。
さらに織機で使用する経糸(たていと)も麻と純綿(一部使用していない製品もある)を使用しているため、月日が経てば畳表は自然に帰っていく。

一般的に畳というのは、きちんと手入れして使用すれば10年から20年近くもつと言う。
TATAMO! ではこれから新しいデザインプロダクトとともに、イグサと一緒に暮らす生活を提案していきたいと思う。